礼節とは「”はい”ではなく”押忍”で応えること」ではありません。
礼節の本質は自他の領域を適切に保ち、相手を尊重することです。
いくら敬語を用いていたとしても、頭を下げていたとしても、行動を見れば明らかです。
しかし、自覚のないままに他者を尊重することができない人が多いです。
具体的には、望んでいない話を延々と続けること、考える余地を奪い、可能性を否定し、好き嫌いの嗜好を良し悪しで断じてしまう、実力不足や下手を笑う、などの行為です。
礼節を身につけるには相手の事を観察する力や想像力がなければ難しいことがわかると思います。
教室のように何かを学ぶ場に於いて、まず必要な礼節は、我を捨てることです。
冒頭に書いた「”はい”ではなく”押忍”で応えること」ではない。という言葉の真意は、
「押し忍ぶ」といいながら我を通す姿勢を崩さない上辺の軽薄な「押忍」に対して言っているのです。
貴方が何者で、何を築いてきたのかは関係ないのです。
「ティーカップは空だから役に立つのです。ここで何かを学びたいのであれば先ずは貴方のカップを空にしなさい」
ということです。